サンダルで登山する人も…登山客が増えて事故も増加 GW時期は「気温の変化」にも注意 (24/04/30 18:28)

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Published on 2024年4月30日 by

近年のアウトドアブームで登山を楽しむようになったという方も、多いのではないでしょうか。しかし、たとえ低い山でも油断は禁物。事故に遭わないためにはこの時期、特有の「気温の変化」にも注意が必要です。

 28日、三重県菰野町にある御在所岳の駐車場には多くの車が──

 名古屋から車で1時間ほどの御在所岳。標高が約1200mで、ロープウェイも設置されているため、登山初心者にも人気です。

「御在所岳はGWが登山者がもっとも多い時期になる。ツツジの名所なので、それを目当てに登山する人が多い」(御在所ロープウエイ 樋口達也 営業部長)

 みなさん装備をしっかり整え、山頂を目指します。

Q.気を付けていることは?
「これから暑くなるので、水分補給など飲み物はしっかり持とうと話をしてきた。万が一の場合、何があってもいいよう非常食や余分な水分も持ってきた」(登山客)

登山を楽しむ人々が増加

 コロナ下のアウトドアブームを受け、登山を楽しむ人々も増加。

 このゴールデンウィーク期間にも、アウトドアショップには多くのお客さんが登山用品を買いに来たといいます。

「今年は(コロナによる)規制がありませんので、非常に増えています」(エルブレス名古屋みなと店 田部井康浩 店長)

 去年の同じ時期に比べ、お客さんは1.5倍ほどに増え、中でも40代から60代が多いそうです。

 田部井さんは、登山を楽しむためには必ず装備を整えてほしいと話します。

「安全材料を増やすことが楽しむために第一。安心で安全にいける装備をそろえることが大切」(田部井 店長)

「登山者が増える分、遭難者が年々増えている」

 装備を整え、登山する人がいる一方で、毎年問題となっていることもあります。御在所ロープウエイの担当者に聞くと──

「登山者が増える分、遭難者が年々増えている。軽装や計画性がなかったり、そういった人が遭難だったり、滑落などの事故にあう傾向にある」(樋口 営業部長)

 御在所岳を管轄する四日市西署管内では、去年1年間で遭難事案が21件発生したといいます。

 安全に楽しむためには、きちんと装備を整えることが大切です。

「ひどい人だと、足元がサンダルや、何も装備を持っていない、リュックも持っていない状態で登山をする人も見る。安全に登山をしてもらいたい」(樋口 営業部長)

ちょっとした気のゆるみが大きな事故に

 去年のゴールデンウィーク、名古屋市の「消防航空隊」に密着取材した際──

 ゴールデンウィーク後半の5月3日。“山岳救助”の要請が入り、隊員たちは岐阜県揖斐川町の山へと向かいます。

 夫婦で登山中、両足がつったという50代の男性。標高1200メートルの頂上付近で、動けなくなっていました。

「こむら返りみたいな…」(救助された男性)

 水分補給が十分ではなかったとみられます。登山は「初心者ではなかった」という男性。

 だからと言って、油断は禁物。ちょっとした気のゆるみが、大きな事故へとつながる恐れがあるのです。

例年以上に雪崩への注意が必要

 3000メートル級の山々が連なる「北アルプス」。

 その玄関口の一つが、岐阜県高山市の「新穂高登山指導センター」です。

 連休中は「槍ヶ岳」などを目指す多くの登山者が訪れます。

 ゴールデンウィーク初日の27日には、県の職員らが登山者に向けて、登山届の提出や装備品の確認を呼びかけました。

 まだまだ雪が残る「北アルプス」。ゴールデンウィーク後半も、気温が上がることが予想されているため、例年以上に「雪崩」への注意が必要です。

「雪が大変多く残っているので、アイゼン・ヘルメット・防寒具などは、しっかり準備して登ってほしいと思う」(岐阜県危機管理部 防災課 荒井正人さん)

 岐阜県警によると、岐阜県側の北アルプスでは、去年のゴールデンウィークに2人が遭難しています。

 警察の山岳警備隊は、ゴールデンウィーク後半の2日から、隊員4人を標高約3000メートルの山小屋に常駐させ、パトロールを強化するとしています。

簡単に登山届が出せるアプリ「Compass」

 一方、愛知県警の山岳救助隊は30日、新城市にある標高929メートルの宇連山で救助訓練を実施しました。

 訓練は登山客が滑落し、足を怪我して動けなくなった想定で行われ、救助隊は登山者を見つけると、応急処置をした後、救助ヘリで病院に搬送しました。

 例年、ゴールデンウィークは登山客が増えることから、警察は山岳事故への警戒を強めていて、スマートフォンで簡単に登山届が出せるアプリ「Compass」の登録などを呼びかけました。

 愛知県内では、去年1年間に山岳事故が45件発生しています。

「登山届を出していない状態で山に入って遭難すると、捜索活動をする際に何も手掛かりのない活動となるので、「Compass」を使って登山届を出してもらえれば迅速な捜索活動につながる」(新城警察署 地域課 市川潤 課長)

 また、“山の変わりやすい天気への備え”の大切さを訴えます。

「軽い感じで軽装で入る方が多いので、実際に山に入って降りられなくなった場合のことも考えて、しっかりとした装備を付けてもらえたら。登り始める前は涼しくても、天気が良くなって雨上がりに蒸し暑くなると、熱中症になる可能性が高くなるので、しっかり水分を持ってこまめに水分補給しながら山を登っていただければ」( 市川潤 課長)

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